小品で下垂する花穂の趣を生かす
作者/三世家元 角田一忠
花材/唐糸草
花器/篭
花型/折り入れ
唐糸草は夏から初秋にかけて紅紫色のふさふさとした花穂をつけます。その雄しべの長い花糸を唐(中国)から渡来した絹糸になぞらえて唐糸草と名付けられたといわれます。我亦紅と近縁の植物ですが、花穂がはるかに長く、茎先から優雅に垂れ下がります。その為、あまり深く傾けると不自然に見えるので立て気味に扱います。また、多くのものと取り合わせるより、一種でいけるか、すすきなどを軽くあしらう程度のほうが持ち味を良くいかすことができます。ここでは篭を用いましたが、花器も素朴なものが似合います。