小花を連ねた枝の素朴な趣を楽しむ
作者/三世家元 角田一忠
花材/きぶし、鳴子百合、撫子
花器/淡黄釉変形花器
花型/盛花
きぶしは木五倍子という漢字を当てられますが、小さな房状の花を藤のように垂れ咲かせるところから木藤あるいは豆藤という別名もあります。晩春の山路に咲く花木で、黄緑色の壷形の小花を連ねた姿は野趣にあふれています。枝振りはどちらかといえば武骨ですが、ゆるやかに湾曲した伸びのある枝を真に生かして素朴な趣を楽しみました。鳴子百合で緑の葉を補い、撫子のピンクの小花で彩りをそえています。