山吹のなびきで春の風情をそそる
作者/三世家元 角田一忠
花材/百合、山吹
花器/濃紺釉筒
花型/折り入れ
近ごろの切り花は見栄えのよさを第一に求められるので、丈が大きく花付きも多いものへと改良が重ねられつつあります。そのため、特に折り入れにふさわしい趣の感じられる花材が年々少なくなってきています。これも時代の趨勢でいかんともしがたいことですが、工夫しだいで風情の良さを演出するこは可能です。ここで用いた百合も、枝分かれした先にたくさんの花をつけた新種で、豪華さはありますが、百合特有のたおやかな味わいは薄いものです。そこで、野趣豊かな一重の山吹を取り合わせ、自然の情趣を補ってみました。