日本古流は明治33年に初代家元が第一歩を踏み出しました。いろいろの苦労を重ねて頑張って居られましたが、これからと云うときに初代は65歳にて他界しました。二代家元が後を継ぎ、社中一門のために一方ならぬ努力を致しましたが、残念ながら81歳にて亡き人となってしまいました。二世家元亡き後、顧問会議の結果、私が三世に推挙されました。大変な重荷と思いましたが、流の為と思いお受けいたしました。私は初代家元から手ほどきをしていただきました。以来、現在まで七十数年間花一筋にまいりました。私も卒寿を迎えておりますが、力の及ぶ限りお手伝いさせていただきます。
この度創流百年を迎えるにあたって、記念の花会でもとの声があがりました。早速、実行委員を決めて準備に取りかかりました。いろいろと骨の折れる事もあったと思いますが、皆様の暖かいご協力によって見事な会場が出来ました。その時、社中の方々が私たちも頑張らなくてはと口々に申しておりました。私も皆様の活けた花を一杯づつ拝見させていただきましたが、誠に心のこもった力強い作品に胸打たれました。このような立派な花会が出来まして、本当にありがとうございました。
各流派の多くの先生にも運びいただきましたことを感謝申し上げます。又来場頂きましたお客様も2000人を越えたと言うことでこの上もない喜びでございました。出品者が365人もの多数にのぼりましたのは、先生方の常々の暖かいご指導があればこそと頭の下がる思いでございます。
初代、先代があり、又先輩の努力があればこそ私もこの盛大な花会に立ち会えたと思っております。あげ花の時は、誠に残念と思いましたが盛会裡に終わらせていただきました事を篤く御礼申し上げます。
平成11年10月
三世家元