日本古流はまさに20世紀がスタートした1900年に流祖角田一忠師により山梨の地で創流され、本旨とする生花の伝統を堅持する流門として明治、大正、昭和の初期に掛けて活躍。
1938年(昭和13年)二世家元を継承した角田一忠氏は戦後のいけばな界で勇躍、流儀の中に現代に対応した自由花を積極的に取り入れる一方で、組織をステップとした、いけばな環境つくりに向けた柔軟な活動が注目された。こうした広範な活動の功績により1980年(昭和55年)勲五等瑞宝章を受賞、同時に創流80周年記念の式典と感謝も集いを東京會舘で晴れやかに開催した。
二世家元が1985年(昭和60年)に他界し、三世角田一忠を襲名継承した現家元の壮健な活躍ぶりは周知の通りだが、14年余りの家元歴の中で創流90周年記念式典と感謝の集い(1990年、ホテルニューオータニ)、に続いて創流100周年と言う最大の記念イベントを迎えることとなった本記念展と記念式典(2000年2月ホテルニューオータニを予定)はあゆみの中でもモニュメンタルなものであろう。
「煌きを活ける」とサブタイトルを打って開催された記念いけばな展は、そうした気運の高まりの中でホテルの雅た空間で展開されたが、連続させてきた野村ホールとは空間の密度を変えた中で日本古流ならではの風合いを醸した大作(家元席、幹部席)をはじめ、自由花、生花の力のこもった一作ものなど365瓶の作品群をエミネンスホールの会場いっぱいに息吹かせ、都内をはじめ各地から詰めかけた観客から大きな話題が寄せられた。
1999年3月15日号「日本女性新聞」