陰陽型の変化
陰陽型には三才型のような真、行、草の系統に分けられる花型はありませんが、添の枝がいろいろに流れて展開される変化型があります。ここでは、受流し、中流し、内添流し、前添流し、後添流しの五つのいけ方を示してみました。役枝のはたらきと、花型同士の違いがはっきりとわかるように、また、三才型の変化系との違いもきわ立つように同じ花材の猫柳を使いました。
受流し
真は円を抱くように、やや深めの弓形に湾曲させて挿します。それに添わせて、真の丈の半分より上のところから分かれるように受を流し、下の空間に留の添をやや長めにはたらかせます。体の枝を入れないので、それを補うように添の枝を強調しますが、特に真の前添をきかせるのが要領です。

内添流し
真の後添と真の前添の間を通って、斜め前へ流すようにします。次の前添流しや後添流しよりは、ゆるやかな曲を描くようにするのが特徴です。左へ大きく添枝が伸びるので、留は少し長めにしてバランスをとります。

中流し
受流しと同様に、真は深めに湾曲させますが、真の丈の半分より下のところから分かれるように流します。その下の空間が狭くなりますから、留と留の添も短めにします。真の前添を強調するのは、受流しと同じです。

前添流し
真に添わせた前添の枝を、途中から斜め前方の下へ向けて流します。後添流しより低いところから分かれるのが特徴です。枝先がどの枝よりも低くなるので、他の添枝を見切ってもかまいません。留は少し長めにします。

後添流し
真の後添の枝を流しますが、前添流しより高いところから分かれるのが特徴です。前添流しが斜め前へ流すのに対し、斜め後方へ向けて流しますが、他の添枝を見切らないよう高く配します。留はやはり少し長めにします。

(株)敬風社「日本古流いけばな」より




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