陰陽型の基本
陰陽型は陰と陽という二つの相反する気を、真と留の役枝によってあらわす花型です。基本型はごくシンプルで端正な花型ですが、添枝のはたらかせ方によって、さまざまな変化に富んだ花型が展開されます。ここでは、基本型と合わせて、受流し、中流し、内添流し、前添流し、後添流しなどの変化型も示しました。
この花型は真と留の二つの役枝を中心として構成されますが、三才型の体に相当する役枝がありませんので、そのぶん真と留のはたらきがより重要になります。特に、留は一本で真との釣り合いをとるため、不等辺三角形の領外に大きく流れるのが特徴です。そして、真と留を補助するように、真の前添と後添、留の前添と後添を入れ、さらに時に応じて、内添や見込みなどの枝を加えて肉付けをしながら花型をまとめます。
いけ方
三才型との違いがよくわかるように、ここでも孔雀檜葉を使って基本型をいけました。
1.真の枝を、三才型より心もち上の部分で弓状に曲げて挿します。
2.真の前添と、真の後添を挿します。体がないので、それを補うようにボリュームをつけることが大切です。
3.留の前添と留の後添を挿します。真とその添に釣り合うような量感をもたせます。
4.留と体とのバランスを見計らいながら三角領外へ大きく流して挿し、全体の形をまとめ上げます。
(株)敬風社「日本古流いけばな」より




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